エイゴリアン

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Bob Dylan - Idiot Wind 対訳

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誰かが俺を貶めようとしている 奴らは話をでっちあげようとしてる

だれだか知らんがやめてくれ いつまで続けるつもりなんだ

奴らが言うには、俺がグレイという名の男を撃って、

その妻をイタリアに連れてった

彼女は100万ドルを相続して、彼女が死んだときそれが俺の懐に入ったと

なんてでたらめだよ

 

いつも人は俺をじろじろ見てるが みんな作法も礼儀も忘れてしまったみたいだ

たいそうな理想と妄想と歪められた事実で頭がいっぱいなんだろう

昨日の君にしたって、肝心な所は俺に聞かなきゃわからなかった

信じられなかったよ これだけの時を経ても俺のことすら全然わかってなかったんだね

かわいい君よ

 

愚か者の風

君が口を動かすたびに吹きすさぶ

南に向かって小道を駆け巡る

愚か者の風

君が歯を動かすたびに吹きすさぶ

愚かな君よ

まだ呼吸の仕方を忘れていないのが不思議なくらいだ

 

占い師の所に駆け寄ったら、そいつに雷に気をつけろと言われた

心の平安なんて長いこと知らなくて それがどんなものかすら思い出せない

十字路には孤独な兵士がいて 馬車のドアからは煙がこぼれている

わからなかっただろう そんなことはありえないと思っていただろう

ずっと負けっぱなしだった後で 彼が最後には戦いに勝つことなど

 

道ばたで目覚め 物事が時に織りなす様相について白昼夢を見ていた

栗毛の雌馬の像が脳裏をよぎり ガツンと頭をやられて星を見た

お前は俺が最も愛したものたちを傷つけ 真実を虚偽で覆い隠した

いつか足下をすくわれて 蠅が目の前にたかるだろう

サドルにこびりついた血

 

愚か者の風

君の墓の花を吹き抜ける

君の部屋のカーテンを

愚か者の風

君が歯を動かすたびに吹きすさぶ

愚かな君よ

まだ呼吸の仕方を忘れていないのが不思議なくらいだ

 

俺たちを押さえつけたのは重力 引き裂いたのは宿命だった

俺の檻の中の獅子をなだめるくらいではこの心は変わらなかった

今や何もかもが逆さまで 当然のことながら歯車は止まってしまった

善いものが悪く 悪いものが善い 頂上についた時に気づくだろう

底辺にいることに

 

祭典で気づいたよ お前の汚いやりかたがお前をとうとう盲目にしてしまったと

もうお前の顔も思い出せない 口も変わってしまえば もう俺の眼も見ていない

七日目に 司祭は黒を身に纏い 建物が燃えているあいだ 鉄面皮で座していた

踏み板の上で君を待った 糸杉の近く

春が緩やかに秋へと移ろう間

 

愚か者の風

俺の頭蓋を円を描くように吹き抜ける

グランドクーリーダム*1から国会議事堂に向かって

愚か者の風

君が歯を動かすたびに吹きすさぶ

愚かな君よ

まだ呼吸の仕方を忘れていないのが不思議なくらいだ

 

もう君を感じられない 君の読んだ本に触れることすらできない

君の扉を通るたびに 自分が自分でなければよかったのにと願って来た

ハイウェイを下り 轍を下り 道を下って 恍惚へ

星空の下 君のあとをついて来た

君の記憶と猛烈な栄華に追い立てられて

 

今までずっと裏切られて来た そして今やっと自由だ

俺たちを引き裂いていた国境線で 吠える獣にさよならのキスをしたよ

きっと君は知ることはない 俺が受けた傷も 俺が乗り越える痛みも

俺ももう君に対して同じ気持ちになることはないだろう

君の神聖さ 君のような恋人を知ることもないだろう

それが残念でならない

 

愚か者の風

俺たちのコートのボタンを吹き抜ける

俺たちが書いた手紙を

愚か者の風

俺たちの棚の埃を吹き払う

愚かだね 俺たち 

こうして食べていけるのが不思議なくらいだ